前方車両に対する嫌がらせ行為の一種である「煽り運転」は、場合によっては重大な交通事故を引き起こす危険もある、法律に違反する行為です。その罰則は重く、懲役刑にも科せられます。そこで今回は、あおり運転の定義や罰則、その対処方法についてご案内します。
みなさんは、煽り(あおり)運転を受けたことはありますか?
法定速度を守るスピードが比較的遅い車などに対し、執拗に車間距離を詰めるなどして嫌がらせをする「煽り運転」は、死亡事故にも繋がる「迷惑極まりない危険行為」であり、同時に法律違反です。
2017年6月、東名高速にて煽り運転による死亡事故が起きました。
煽り運転の末に被害者の車を停止させ、そこに後続のトラックが追突するという痛ましい事故は大きな話題となり、そこから煽り運転の摘発が頻繁に報道されるようになりました。
この事故の加害者への逮捕状は「過失運転致死傷罪」となっていますが、専門家からは殺人罪として扱うべきだという声も上がっています。
あおり運転(煽り運転)とは、他の車に対する嫌がらせ運転のことです。
例として、以下の行為があおり運転に該当します。
以上のような脅し行為のほか、慰謝料などの賠償金を狙って故意に事故を起こす「当たり屋」も煽り運転と一括りにされています。
ドライバーが軽率にこのような行動を取ったことにより、煽られた車が事故に遭うことはもちろん、第三者が巻き込まれ二次災害となっているケースも多々見られています。
次々と摘発されている煽り運転ですが、相手がけがを負ってしまったり死亡してしまった場合、道路交通法26条によって車間距離保持義務違反となります。
煽り運転は立派な犯罪なのです。
(車間距離の保持)
第二六条 車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。
出典:道路交通法
煽り運転をされた場合、相手にせず道を譲るのが一番の対処方法です。
下手に煽り返したりするのは、トラブルの原因にもなるのでやめましょう。
道を譲ってもしつこく煽ってくる場合は、徹底的に無視しましょう。
狭い一本道で、道を譲ることができない場合も同様です。
最後の手段は、動画撮影です。
あおり運転をしてくる車を撮影することで、事故が起きた場合の証拠映像になり、「警察に訴え出る用意があるぞ」ということを相手に示して、威嚇する効果もあります。
ただ、撮影しながらの運転は危険運転になってしまうので、この方法が使えるのは同乗者がいる場合かドラレコを設置している場合のみになりますので注意してください。
一般的に、車種によって煽り運転の被害に遭う頻度は大きく変わってくると言われています。
トラックのような大きな車や高級車といった、自分の車がぶつかったら危ない車に対しては気が引けて煽り運転をしなくなるというのは確かに納得が行きますね。
かなり強引ですが、あおり運転を防ぎたい場合、威圧感のある大きな高級車に乗るというのも手かもしれません。
煽り運転対策のためにわざわざ高級車なんて…と思いますので、上述のドライブレコーダー、もしくはダミーカメラを設置するという手もあります。
実際には撮影していなくても「カメラで撮影しているぞ、証拠は映っているぞ」ということを周囲に示すことで、あおり運転を躊躇させる効果が期待できるのです。
合わせて「カメラ撮影中」や「赤ちゃんが乗っています」といったステッカーも貼っておけば、その効果は更に大きくなるでしょう。
煽り運転をしてくる車が急ブレーキを掛けた前方の車に追突した場合、後方車は一定の車間距離を保つ義務があるので、100%相手の過失となります。
ただし、故意に急ブレーキを掛けて追突させた場合は前方の車にも過失が生じます。
その場合でもあおり運転をしてくる方に問題があると見なされ、過失割合は自車より相手側の方が大きくなるようです。
煽り運転から逃れるために、超過速度で走行してしまおうと考えたこともあるでしょう。
しかし、煽られた車がハイスピードで走行したために事故になってしまった事例もあります。
後続車に煽られ逃げ出したくなっても、冷静さを保ち無視を決め込みましょう。
煽り運転に遭遇し、トラブルになったら無理に自分で対応・解決しようとせず警察に通報することをおすすめします。
警察に通報するときは、以下のことに注意しましょう。
前述したように、煽り運転は「違法行為」です。
相手の言い分を無視して、警察の到着を待っても何も問題はありません。
なにより「落ち着いて」警察が来るのを待って下さい。
車間距離を極端に詰めるあおり運転は、明確な道路交通法違反です。
道路交通法26条によって、ドライバーは車間距離の保持が義務付けられているので、違反した場合、以下の罰則が科せられます。
あおり運転によって交通事故を起こし、相手を死傷させてしまった場合には、危険運転致死傷罪が適用され、以下の罰則が科せられます。
非常に重い罰則ですが、被害者やその家族からしてみれば、僅か10~15年で加害者が開放されるということに到底納得はできないはずです。
軽い気持ちで行ったあおり運転が、多くの人から大切な物を奪ってしまう事になり兼ねないので、絶対にあおり運転はしないようにしましょう。
あおり運転の定義とその罰則についていかがでしたでしょうか?
煽り運転は、する方もされる方にもメリットは一切ありません。
煽り人は心に余裕が無く、あおられた方は嫌な気持ちしかしないからです。
トラブルや重大な事故にも繋がるあおり運転は、百害あって一利なしなので、例え前方の車が遅くても、絶対にあおらないようにしましょう。
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