道路交通法において、一刻一秒を争う救急車や消防車等の緊急自動車は、それ以外の一般車両よりも優先されることが定められています。また、公共交通を担う路線バス等についても、専用通行帯や優先通行帯が設けられるなど一定の優先が認められています。そこで今回は、緊急自動車と路線バス等の優先についてまとめてみました。
緊急自動車とは、救急車、消防車、パトカー等の道路交通法施行令第13条に定められている自動車で、緊急用務のため、サイレンを鳴らし赤色の警告灯をつけて運転中のものをいい、一般の車両は緊急自動車が接近してきたときは、避譲措置をとる義務があります。また、緊急自動車には、通行区分等において次のような特例が認められています(道路交通法第39条)。
① 追越しをするためその他やむを得ない必要があるときは、道路の右側部分にその全部又は一部をはみ出して通行することができる。
② 法令の規定により停止しなければならない場合においても、停止する必要はなく、他の交通に注意して徐行して進行することができる。
緊急自動車に対する避譲の方法等は、下記のとおりです(道路交通法第40条、第75条の6第2項)。
① 交差点やその付近では、交差点を避け道路の左側に寄って一時停止をします。
② 交差点やその付近以外の場所では、道路の左側に寄って進路を譲ります。この場合は一時停止の義務づけはありませんが、状況に応じて一時停止をして緊急自動車の通行を妨げないようにします。
※上記①と②の場合において、緊急自動車がセンターラインを越えて走行してくる場合は、対向車線側の車も道路の左側に寄って進路を譲る義務があります。
③ 一方通行路で、左側に寄るとかえって緊急自動車の通行の妨げとなるような場合は、右側に寄って進路を譲ります。
④ 高速道路で緊急自動車が本線車道に入ろうとしているときや出ようとしているときは、その通行を妨げてはいけません。
路線バスの停留所において、乗客の乗降のために停車していた路線バスが、発進するために進路変更をしようとして合図をした場合は、その後方にある車両は、急ブレーキや急ハンドルで回避しなければならない場合を除いて、合図を出した路線バスの発進を妨げてはいけません(道路交通法第31条の2)。
路線バス等とは、道路交通法施行令第10条において、路線バスのほか、通学・通園バス、人又は貨物を輸送する事業の用に供する自動車で当該道路におけるその通行の円滑を図ることが特に必要であると認めて公安委員会が指定したものとされており、標識や標示によって指定されます。 路線バス等については、標識や標示によって専用通行帯や優先通行帯に指定されている通行帯があります。専用通行帯と優先通行帯では、路線バス等以外の車の通行方法が異なります。
<専用通行帯> 標識や標示に示されている車の専用通行帯に指定されている通行帯では、当該車のほかに小型特殊自動車、原付バイク、自転車などの軽車両は通行できますが、それ以外の車は、緊急自動車に進路を譲るときや右左折する場合などのやむを得ない場合を除いて、通行することはできません(道路交通法第20条、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令別表第1規制標識327の4)。
<優先通行帯> 標識や標示によって路線バス等の優先通行帯に指定されている通行帯は、路線バス等以外の車も通行できます。ただし、路線バス等が接近してきたときは速やかに優先通行帯から出なければなりません。また、道路の混雑等により、路線バス等が接近してきたときに優先通行帯から出られなくなるおそれがあるときには、右左折等のやむを得ない場合を除いて、優先通行帯に入ることはできません(道路交通法第20条の2)。
【留意点】 路線バス等の専用通行帯や優先通行帯は、通常、道路標識や標示により適用される時間帯等が指定されています。道路標識や標示をよくチェックし、専用通行帯や優先通行帯の時間帯でないかどうかを確認することが大切です。
弊社では、自動車保険や火災保険、傷害保険、生命保険等の各種保険を取り扱っております。保険に関するご相談等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
【お問合せ先】
株式会社 保険企画カワイダ
鹿児島市薬師2丁目5番22号
TEL 099-253-4405 FAX 099-253-4425