路面は常に正常な状態にあるとは限らず、濡れていたり凍結していることがあります。また、水たまりができていたり落下物があることもあります。その一方で、路面は道路標示などによって、運転に必要な情報を提供してくれます。そこで今回は、路面に関する事項をまとめてみました。
濡れた路面や積雪・凍結した路面は滑りやすくなります。特に、凍結路面は摩擦抵抗がかなり小さくなるため非常に滑りやすく、スリップやスピンの危険性も高まります。しかも、濡れた路面や積雪した路面は見分けることが容易ですが、凍結した路面は見分けにくいことがよくあります。一般に、橋の上やトンネルの出入口、昼間でも陽が当たらず日陰になっている部分などは凍結しやすいといわれていますが、それ以外の場所でも気温の下がる朝晩は凍結のおそれがありますので、路面の状態に十分注意して走行しましょう。
雨や解けた雪によって路面に水たまりができることがあります。深い水たまりを走行すると、ブレーキの効きが悪くなることがあります。また、歩行者や自転車に泥水をはねかけるおそれもありますから、できるだけ水たまりを避けて走行するようにしましょう。
※やむを得ず深い水たまりを走行したときは、その直後に ブレーキの効き具合を確認するようにしましょう。
路面に物が落ちていることがあります。こうした落下物に乗り上げると、思わぬ事故につながることがありますから、できる限り避けて走行しましょう。また、夜間は落下物の発見が遅れがちになります。
対向車があるときや他車の直後を走行するとき、交通量の多い市街地の道路を走行するときを除いて、ヘッドライトをこまめに上向きに切り替えるなどして、落下物の早めの発見に努めましょう。なお、落下物を発見したときは、最寄りの安全な場所に車を止めて、道路緊急ダイヤル(♯9910)で通報するよう心がけましょう。
路面には、法令で定められた道路標示と定められていない表示(以下、法定外表示といいます。)が設置されており、ドライバーに重要な情報を提供しています。
道路標示には、路側帯や車両通行帯を示すものや、転回禁止を示すもの、停止禁止部分を示すものなど、交通規制に係る「規制標示」(図1)と、横断歩道や停止線、前方に横断歩道や自転車横断帯があることを示すものなど、交通の指示に係る「指示標示」(図2)があります。いずれの道路標示も運転にとって必要な情報を示していますので、道路標示の意味を正しく理解し、それに従った運転をすることが安全運転の基本となります。
道路標示は、図2の「横断歩道や自転車横断帯あり」のように予告機能のあるものもあります。見通しの悪いカーブなどでは前方に横断歩道があっても、それに気づくのが遅れがちになりますが、この道路標示によってドライバーはカーブの先に横断歩道があることを把握でき、十分減速するなどの横断歩行者や自転車に備えた早めの対応をとることができます。道路標示に気づくか気づかないかで運転に大きな差ができてしまうことがありますから、道路標示にもよく目を向けて運転しましょう。
路面には、さまざまな法定外表示も設置されています。例えば、生活道路などの小さな交差点に設置されている交差点クロスマーク表示もその一つです。発見しにくい交差点を事前にドライバーに知らせるため表示であり、この表示を見落とすと、思わぬ出会い頭事故を起こす危険性が高まります。また、視覚効果によってドライバーに減速を促す表示(一般に「減速マーク」と呼ばれています。)(図3)もあります。
警察庁の通達「法定外表示等の設置指針について」によれば、「減速を要する区間(急カーブ、急坂カーブ、連続カーブ、追突事故多発区間等)およびその手前において、必要に応じて減速マークを設置すること」とされており、このマークがある場所は減速しなければ安全な走行が確保できないことを示しています。法定外表示は、ドライバーに対して道路状況や交通の特性に関する注意喚起などを行うために設置されているものですから、法定外表示のある場所では、特に慎重な運転を心がけましょう。
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