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2021.04.06 安全運転のポイント

警察庁の発表によると、令和2年の交通事故による死者数は2,839人で、警察庁が保有する昭和23年以降の統計で最少となりました。そこで令和2年の交通死亡事故の主な特徴をまとめてみました。(資料は、警察庁「令和2年中の交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」による)

1. 交通事故死者の過半数は65歳以上の高齢者

年齢層別に死者数をみると、65歳以上の高齢者が1,596人で(図1)、全死者数に占める割合は56.2%と過半数を占めています。また、65歳以上の高齢者の死者数を状態別にみると、歩行中が743人(46.6%)、自動車乗車中が457人(28.6%)、自転車乗用中が294人(18.4%)、二輪車乗車中が93人(5.9%)で(図2)、歩行中と自転車乗用中を合わせると6割を超えており、この傾向は前年とあまり変わっていません。
高齢歩行者や高齢者の乗った自転車を見かけたときは、スピードを落として、その動向に十分注意しましょう。

2. 事故類型別死亡事故では、人対車両の「横断中」が全体の4分の1近くを占める

死亡事故を事故類型別にみると、車両相互が976件(35.1%)、人対車両が942件(33.8%)、車両単独が825件(29.6%)となっています(図3)。
前年に比べると、車両単独(前年26.0%)の比率が高くなっています。事故類型の内容をみると、最も多いのは人対車両の「横断中」651件(23.5%)で全体の4分の1近くを占め、次いで車両単独の「工作物衝突」464件(16.7%)となっています。「横断中」の歩行者の多くは高齢者と考えられます。道路脇に高齢者を見かけたら、横断してくるかもしれないと考えて、スピードを落とす、ブレーキの上に足を乗せるなど、危険を回避する態勢をとっておきましょう。

3. 道路形状別では、交差点内とその付近が死亡事故のほぼ半数を占める

死亡事故件数を道路形状別にみると、交差点内が942件(33.8%)、交差点付近が345件(12.4%)を占め、交差点内と交差点付近を合わせると46.2%と全体のほぼ半数を占めています。交差点内について信号機の有無別でみると、信号機無が信号機有よりも多くなっており、この傾向は前年とあまり変わっていません(図4)。交差点とその付近は、事故が発生しやすい場所です。交通状況に十分目を配り、起こり得る危険を予測した運転を心がけましょう。ドライバーの視線は後方に集中しがちなため、通行してくる歩行者などを見落としたり、気づくのが遅れるおそれがあり ます。バックするときでも、歩道等を横切るときには、その直前で一時停止することが義務づけられていますから、必ず一時停止して、歩道等を歩行者などが通行していないかどうかを確認する必要があります。

4. 法令違反別では、「運転操作不適」や「安全不確認」が前年より比率が高くなっている

原付以上の運転者が第1当事者となった死亡事故を法令違反別にみると、「漫然運転」が366件(15.2%)で最も多く、次いで「運転操作不適」331件(13.7%)「安全不確認」300件(12.5%)となっており、前年に比べると、「運転操作不適」(前年12.3%)と「安全不確認」(前年11.5%)の比率がやや高くなっています(図5)。 漫然運転をしないことはもちろんですが、ハンドルやブレーキなどの運転操作にも十分注意するとともに、常に周囲の状況に目を配り、確実な安全確認を行うようにしましょう。

5. 昼夜別の死者数では昼間のほうが夜間より多い

死者数を昼夜別にみると、昼間が1,512人(53.3%)、夜間は1,327人(46.7%)で、前年(昼間50.5%・夜間49.5%)に比べると、昼間の比率が高くなっています。昼夜別・状態別でみると、昼間は自動車乗車中が567人(20.0%)で最も多いのに対して、夜間は歩行中が658人(23.2%)で最も多く、全死者数のほぼ4分の1近くを占めています(図6)。夜間走行時は、対向車と行き違うときや他車の直後、交通量の多い市街地の道路を走行するときを除いて、こまめにヘッドライトを切り替え、できるだけ上向きにして歩行者を早めに発見するよう努めましょう。

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