気温や湿度が高くなり、蒸し暑い日が増えてくると熱中症の危険が高まります。そこで今回は、ドライバーにとっても決して無縁ではない熱中症に対する予防対策のポイントをまとめてみました。また、道路交通法等の改正で厳罰化された「あおり運転」(妨害運転)の罰則の内容もご紹介します。
車内はエアコンがあるから熱中症にかかることはないと考えるのは危険です。エアコンを使用すれば、確かに車内は涼しくなりますが、その一方で湿度も下がり乾燥した状態になり、汗もすぐに渇きます。渋滞などに巻き込まれ、長時間車内の乾燥した状態に閉じ込められると、身体から水分が失われて脱水症になりやすいといわれています。脱水症は熱中症の症状の1つと言われており、めまいや頭痛、吐き気など催し、運転にとって極めて危険な事態を招きます。さらに、脱水症により汗もかかなくなると、発汗による体温調節ができず、身体に熱がこもって熱中症になることもあります。
エアコンがあるからといって決して過信せず、こまめに水分を補給するという予防の基本を徹底しましょう。 なお、カフェインの入った飲料水(例えば、コーヒーや紅茶、緑茶、ウーロン茶など)は利尿作用がありますから、できるだけ避けるのが望ましいでしょう。
マスクを着用していると自分の呼吸で温かい空気しか入ってこないため、呼吸で身体を冷やすことが難しくなって体温を上昇させます。また、マスクで顔の半分ほどが覆われることで熱がこもりやすくなることから、熱中症にかかるリスクが高まるといわれています。マスクを着用して運転する場合は、より一層の水分の補給を心がけましょう。また、眼鏡をかけて運転する場合は、マスク着用により眼鏡が曇ることがありますから注意しましょう。
屋外で作業や運動をした後で車に乗り込むとき、めまいや立ちくらみ、倦怠感など体調に変化を感じたときは、運転を開始せず、涼しい場所で様子をみましょう。また、運転中に上記のような体調の変化を感じたときは、ただちに運転を中止し、駐車場など安全な場所に車を止めて休みましょう。
道路交通法・2020年6月30日施行
自動車運転死傷行為処罰法・2020年7月2日施行
① 妨害運転(交通の危険のおそれ) | ② 妨害運転(著しい交通の危険) |
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他の車両等の通行を妨害する目的で、特定の違反行為(下表参照)を行うことにより、他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある運転 | ①の罪を犯し、それにより高速自動車国道等(高速自動車国道又は自動車専用道路)において、他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた運転 |
罰則等 | 罰則等 |
3年以下の懲役又は50万円以下の罰金 違反点数25点(免許取消し・欠格期間2年) |
5年以下の懲役又は100万円以下の罰金 違反点数35点(免許取消し・欠格期間3年) |
特定の違反行為(10類型) | |
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1. 通行区分違反 |
7. 警音器使用制限違反 |
自動車運転死傷行為処罰法第2条の「危険運転死傷罪」に次の2項目が追加されます。
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